ご無沙汰しています。フィンランドでは先週いっぱいでバカンスシーズンが終わり、今週から学校でも新学年がスタートしています。
年によっては空にうろこ雲さえ浮かんでいるこの季節ですが、ヘルシンキでは7月中旬から異例の猛暑が続いており、まだ夏は終わりきっていない感じです。
さて、今年の夏休みは、縁あってベラルーシに行く機会を与えられました。リトアニアの旅行会社のアレンジによる総勢30人強のオーダーメイド旅行で、首都ミンスクのほか、ベラルーシ北西部に点在する
リトアニア大公国の遺構を訪ねるのが主な目的。
フィンランドからリトアニアのビリニュスまでは各自で移動し、そこからバスで国境を越え、4泊5日をベラルーシで過ごしました。グループには、まとめ役のリトアニア系フィンランド人Sさん、リトアニア人添乗員Jさんが同行し、ほぼすべての街でベラルーシ人の現地ガイドが手配されていました。
この旅行は年初から計画してきたもので、私にとっても今年最大のイベントの一つでした。
参加メンバーの中には地域に詳しい専門家の方もおり、旅程にはそうした方々の意見もあらかじめ反映されていて、なかなか見どころが詰まった内容だったと思います。
ソチオリンピック中に隣国ウクライナで騒乱が勃発し、直接関係ないとはいえ実行できるのかという心配もありましたが、一方で参加者の中からは
「こんな時だからこそ行くべき」という声も聞かれていました。
実際に訪れてみると、現地はどこも整然として花壇なども完璧に手入れされており、道路もよく、治安も拍子抜けするくらいよく、子ども向けのアトラクションまでそこそこあり、そういった意味での心配はまったく不要の滞在でした。
ただ、滞在終盤にウクライナで民間旅客機が撃墜されたのは悲しいニュースとなりました。
旅行から早くも1か月近くが過ぎようとしていますので、記憶が薄れないうちにかいつまんで旅の記録を残しておきたいと思います。
【旅程】
2014年7月 4泊5日
- 1日目
〔リトアニア〕ビリニュス-メディニンカイ
〔国境〕
〔ベラルーシ〕ミンスク
- 2日目
スターリン線野外博物館(ミンスク近郊)
ミンスク
- 3日目
ミンスク⇒ミール城(ミール、ユネスコ世界遺産)
ネスヴィジ城(ネスヴィジ、ユネスコ世界遺産)
バラノビチ
- 4日目
バラノビチ⇒ジロービチ修道院(ジロービチ)
グロドノ
- 5日目(最終日)
グロドノ⇒リダ城(リダ)
〔国境〕
〔リトアニア〕ビリニュス
【査証関係】
今回は団体旅行のため、グループでまとめてビザをとりました。
写真は普通のA4コピー用紙に貼られた30人分のグループビザ。S女史に頼んで撮影させてもらいました。用紙の裏面に、国籍、生年月日、パスポートNoなどが記載された参加者名簿がついています。
各自のパスポートには国境で出入国スタンプが押されただけで、このようなシールは貼られませんでした。
子供も連れていくことになったため、ビザについては、国境で面倒なことになったりしないよう、日本・ベラルーシ両国の大使館に問い合わせを入れて慎重に確認しました。
結論としては、日本人はビザは必要なものの、日本・ベラルーシ間の2国間協定により取得費用は無料でした(ちなみに、フィンランド人は有料)。昔と違って最近は発給までの期間も非常に短いようで、今回も5営業日以内に取れたようです。
また、旅行中有効な海外旅行保険の証書(または、国境でベラルーシの保険に加入する)を用意しておくように言われ、携行していましたが、私たちに関しては加入状況の確認は一切ありませんでした。
国境通過にあたっては、写真撮影をはじめ、不用意にエリアをうろつくなど余計な行動は慎むよう、リーダーと添乗員さんからきつく言い渡されました。
通過にかかった時間は行きが約1時間20分、帰りはそれより少し長引き、免税店での最後のお買い物も入れると2時間くらい国境にいました。帰りは金曜日の午後だったため、リトアニアで働き、週末帰省するベラルーシ人(またはその逆)の往来で、国境も少し混んでいたようです。
いずれにせよ、大半がフィンランド、一部日本とエストニアのパスポートで来ていた私たちグループの国境通過は、S女史に言わせると「異例の速さ」だったそうで、リトアニア人にはもう少し厳しい、3時間かかることも少なくないという話も聞かれました。
【通貨】
ベラルーシの通貨、ベラルーシルーブル(BYR)はインフレが進んでおり、モノの価格変動も激しいとか。
ちなみに手元のコンバーターでの今日のレートは、
1ユーロ=138.39円=13,424.00BYRです。
日本円で考えた方が私たちにはわかりやすそうですが、ざっくりとした計算で100円が1万BYR、写真の20万BYR札で2,000円強という感じでしょうか。。
このお札が5枚あれば100万BYRですので、あっという間にミリオナーになれます(笑)
この20万BYRは最高額紙幣で、なんと100BYR札まであるため、お釣りなどをもらっているうちに財布はすぐにお札でいっぱいに。それで何か支払いしようと思っても、100BYR札などは一部の商店で受け取り拒否にあいました(受け取りたくないものを渡さないでほしいけど・・・)。
買い物の際は、例えば板チョコ一枚で数千BYR~2万BYR、などという値札がついており、精算の際は毎回みっともないくらい混乱しました。
この外国人観光客のまごつきに対し、現地側は「(桁が多いからって)何もぼったくろうって訳じゃないわよ」と開き直る熟年レジ係から「ゼロはいくつか取った方がいいよね」と同情的な若い人までさまざまな反応だったように思います。
もっとも、クレジットカードはかなり普通に使えましたし、ミンスクにはATMも結構ありました。現地通貨は必ず入国前に用意しておくように言われていましたが、ATMで自分の口座から引き出せるかどうかも、ちょっと試してみたかったかも?
【言語】
街の中にはロシア語とベラルーシ語が混在している感じでしたが、意外に英語の表示もあり、ミンスクの地下鉄では駅ごとに英語のアナウンスもありました。
英語が話せる人にももちろん接しましたが、現地ガイドなどはロシア語で、ガイド中の説明は、ロシア語の堪能な参加者やS女史が通訳してくれました。
私たち一家は基本的になんちゃってロシア語で乗り切りましたが、今回、自分のロシア語があまりにもひどすぎて正直落ち込みました(落ち込むくらいなら最初からちゃんとやっておけばいいのに・・・)。その一方、リトアニア大公国のお城めぐりにも関わらず、リトアニア語ができるのはS女史と添乗員さん以外には私たちだけだったので、楽しいコミュニケーションもとれました。
【インターネット】
大きなレストランやホテルには無料WIFIがありました。私たちが泊まったのはソビエト仕様の安い宿泊施設ばかりだったため、WIFIがあったのは1か所のみ、最後の2日間はWIFIそのものにまったくアクセスできませんでした。
実際にはパスワードを配布する有料のWIFIカードがキオスクなどで売られていたようですし、現地契約者向けには通信会社が別にWIFIサービスを用意しているようです。
WIFIがなくて危ないなと思ったのは、旅の終盤になって隣国ウクライナで大事件が起こった時です。Instagramやフェイスブックに写真をアップするだけなら後でもいいですが(笑)有事の危機管理、情報収集の手段として、外国人旅行者にとってWIFIは重要なツールだなと思いました。
その点、今まで訪れたことのあるヨーロッパの国では、こうした心配は皆無でした。
というわけで、今回はこの辺で・・・次回をお楽しみに。