10.13.2014

キノコ学習帳その1 家の前のキノコ(食用)


8月末から9月初旬にかけて、今年はポルチーニが大豊作らしいことを知りました。
時間の制約もあってなかなか本格的なキノコ狩りには行けないものの、この秋は近所でもキノコが多いのではないかと思い、まず足元から、自宅付近のキノコ環境に注目してみることにしました。

筆者が住んでいるのは、ヘルシンキ郊外のある住宅地ですが、もともとあった森を残した都市計画が行われており、住んでいるアパートの庭(私有地)も1ヘクタール近い雑木林のようになっています。

かつて新しく住宅を建てるために庭をつぶす計画があったそうですが、現在は市の文化財の一部として保護されており、そういったことはできなくなりました。

もっとも、庭では子どもがよく遊んでいて遊具などもあるし、車も入れ、そもそも自分も(また、おそらくこの建物に住んでいる他の人たちも)毎日慌ただしく行き来するだけで、何年も住んでいるのに植生などあまり気に留めたことはありませんでした。

しかし・・・よく観察してみると、一般に食用・美味とされる森の幸がかなり生えていることがわかりました。
さすがにこの環境で集めて食べる気にはならないのですが、冬に入っていくなかで、ちょっぴり怪しげな生命力を発揮しているキノコに、エネルギーをもらっている感じです。

近所の人や世間一般のフィンランド人に言わせると、キノコ自体はあまりにも当たり前にあり過ぎるものだそうで、私がどれだけ感動を伝えようとしても大半の人には呆れられているのが現状です(笑)。

ですが、日本にはフィンランドでキノコ狩りをしてみたいという方が山ほどおられることも筆者は知っています。まして、国立公園や人里離れた森ならともかく、ヘルシンキ中心部から10km圏内の集合住宅の庭としてはそれなりにユニークな環境なのでは?と思い、ブログに残してみることにした次第です。


■ まず、ヌメリイグチ (Suillus luteus)、フィンランド語でヴォイタッティ (Voitatti)
私的にはとても気分が上がるキノコの一つです。傘の裏側がスポンジのようになっています。



■ 続いて、いろいろな種類のベニタケ属 (Russula)、フィンランド語でハペロ (Hapero)
何種類も見つかりました。観察用に家に持ってあがっただけで食べてはいないのですが
3つ星のキノコも・・・小さいうちが可愛らしいです。




追記(2014年10月21日):この種類は数が多く、同定が難しいものがあります。


■ チチタケ属のアカハツモドキ (Lactarius deterrimus)
フィンランド語ではクーセンレッパルオスク (Kuusenleppärourku) 
青みがかっているのでちょっとドキッとするのですが、美味種です。
傘の裏側や、割った時の独特のオレンジ色の入り具合で見分けがつきます。

 




■ カバイロツルタケ(Amanita fulva)、フィンランド語でルオステカルパスシエニ(Ruostekärpässieni)家の入口の前にある、松の木の下に生えていました。
一応食べられますが、仲間に毒キノコが多い種類のため、近年では敬遠されているとのこと。
私も食指は動かないなあ・・・ 



庭にはもちろん毒キノコもありましたが、ここでは食用キノコがかなり優勢だったことを強調したいと思います。
また時間があったら紹介します。今週もよい一週間を。