4.22.2014

サポート終了


先週後半から昨日まで当地ではイースター休暇でした。休暇中は田舎の家に移動し、休暇が明ける1日前にヘルシンキに戻りました。田舎に着いた当初はとても肌寒かったのですが、休暇中にぐっと温かくなり、今週前半は気温も17~19℃まで上がっています。田舎の家のサウナ小屋の周辺には、ミスミソウがまとまって咲いていました。これから夏にかけて、野の花がたくさん花を咲かせることになります。咲く場所がやや限られ、市街地などでは見かけることのないミスミソウは、見つけても摘まないようにとフィンランドで教えられました。

しかし・・・田舎でも仕事してます!日本とこちらではカレンダーが違うので仕方ありません。ネットに接続さえできれば、どこででも仕事ができてしまいます。

ところが、サブ機は先日サポートが終了したXP機です。新しい作業環境づくりが間に合わず、クライアントには事前に相談済み、オンライン状態は最低限にして、他の機器とも連動させながら作業していました。通信だけなら他のモバイル機器で事足りますが、私の場合原稿を書くのにはまだこれが必要です。

とはいっても、情報管理とセキュリティは業務上の最重要タスクの一つですので、もちろん新しい作業環境も構築中です。ちなみに、自宅のメイン機には最新バージョンが入っています。

しかし、このOSはサポート終了後もなぜ更新されているのでしょうか。。。
サポート終了日に起動させなかったので、アップデートが残っていたのかもしれませんが。


田舎の夕暮れ・・・

4.16.2014

ティモ鍋を焼く



2年前、田舎に小さな地所を手に入れた際、そこの納屋からティモ・サルパネヴァの鉄鍋(いわゆる『ティモ鍋』)が出てきました。1960年に発表され、一旦廃盤になりましたが21世紀に入ってイッタラ社で復刻され、現在も人気の高い有名な作品です。持ち運びや蓋の開閉に使う木製のハンドルがついていて、シンプルながら独創的な北欧デザインの代表作ともいえるでしょう。

その田舎の地所には80年代初めごろから通年で住む人はいなくなっていたようですので、それ以来日の目を見たということなのでしょうか。もちろん、コンディションはすこぶる良好でした。

現在売られているものは中がホーロー引きになっていますが、手元にあるこのバージョンは蓋の内側だけがホーロー引きで、中の鍋肌は鋳鉄のままです。また、今売られているものより少しだけ大きい気もします。

この鍋を、豚の脂を塗って高温のオーブンで焼くという、昔ながらの方法でお手入れしてみました(注*)。
そもそも鋳鉄製の鍋釜は、ものの本によれば「永久に使える」ものだそうで、フィンランドの家庭には100年ぐらい前から代々使われているものもあるとか。
またうっかり錆びてしまったりしても、手入れをすればリカバリー可能という優れものだそうです。
大雑把な筆者には敷居が高かった鋳鉄ものもこれで何となく親近感がわいてきて、好奇心も手伝い市場で豚の脂を入手。
店頭で「鍋を焼くのに使う」と説明したところ、精肉店のおじさんも何の迷いもなく適当な塊を切って売ってくれました。

まず鍋の汚れや錆びを取り除きます。今までついていた脂の層を広い範囲で落とすならスチールウール(石けんのついていないもの)が早いですが、小さな錆びの除去といった場合は、食塩をクレンザー替わりに生のジャガイモの切り口でこするとよく取れます。このアイデアはアメリカのウェブサイトに出ていたもので、実際に試してみましたがなかなかよかったです。
(ただし、鉄鍋は塩分を嫌うため使用後はよくすすぐこと)



そのあと、いよいよ脂の塗布へ。鍋を火にかけ、豚の脂の塊を溶かしながら塗っていきます。内側だけでなく外側も塗りました。側面を塗るときは脂の塊をフォークに刺すなど工夫して。鍋が脂でテカテカしているのに注目。

ここでショートニングや菜種油など植物性油脂を推奨している場合もあるようなのですが、一部のフィンランド人によると「必ず豚の脂」であることが重要らしいです。
オーブンで焼くことでこの豚の脂の成分が保護膜のように変化し、一種のテフロン加工のような効果を生むことになるとか。それは植物性油脂では決して得られないものだというのです。

250度のオーブンで30分ほど焼き、お手入れが完了したのが最初の写真です。いい感じ♪

追記(2014年4月16日):
注* 
これは、あくまで鋳鉄製の鍋、フライパンに限った伝統的なメンテナンス方法です。
ホーロー製のティモ鍋(ヴィンテージ)や、現在イッタラ社で販売されている内側がホーロー引きのティモ鍋には向いていないと思われます(高熱でホーローが損傷します)。特に現行品については、メーカーの指示に従ってお手入れをお願いします。







4.11.2014

出張




先月、アテンドさせていただいたお客様から自分の写真をいただきました。
ヘルシンキ中央駅、地方に行くところ。
恥ずかしいので小さくしか載せられませんが・・・ありがとうございました。


4.10.2014

心から美味しかった北欧の食材


日本の年度末のカオスも一段落し、月初のやや大きい仕事もクリアして、今週は3日連続で完全在宅勤務でした。
来週以降また外出が増えますが、一息つけた感じです。たまにはこういう週がないと・・・

ところで、最近友人から家庭菜園で獲れたキクイモをもらいました。英語ではエルサレム・アーティーチョークと呼ばれているよう。



これが、私的にはとても美味しい。ヨーロッパに来て初めて心から美味しいと思った食材といってもいいくらいなのです。
年末に一度まとまった量をもらって、友人に「むちゃくちゃ美味しかった」と感想を述べたところ、嫌というほど獲れるということで今回また新しいロットを頂戴したのでした。

そもそもキクイモは日本でも栽培されていると思うのですが、私は日本ではほとんど食べたことがありませんでした。ジャガイモとレンコンを足して2で割ったような食感で、味はマイルドなゴボウのような感じ。こちらではゆでたものをピュレにしてクリーミーなスープにしたりしますが、和風の料理にも合います(そこがここまでよいと思った理由なのかも)。炒め物に入れたり、ピュレにせずスープの具材にしたり、他の野菜と合わせて和風の和え物にしたり、ありとあらゆるものに使っています。

厳しい冬を土中で越す北欧の根菜は、栄養をしっかりと蓄え滋味豊か・・・
と仕事では言ってはいるものの、それを心底実感した機会といっていいかもしれません。

また、ポイントはこれが家庭菜園で獲れたものということです。お店で売っているキクイモも買ってみましたが、やはり土から直接食卓へ持ってくる鮮度には適わない気がしました。
フィンランドにはそういう「お金では買えないもの」が他にもいくつかあるような気がします。

フィンランドのお茶うけとして日本でも有名になったプッラやシナモンロールなども、本当に忘れられない、記憶に残る味になるのは、実家や親戚、近所のおばあちゃんが焼いてくれたものだったりするのです。



4.05.2014

土曜日の昼下がり


春の足音が聞こえてきた穏やかな土曜日の昼下がり、筆者は仕事関係のある研修兼ワークショップに参加してきました。
外国人も少し混じっていましたが、大半はフィンランド人の「その道のプロ」、かつ普通の人が休んでいる土曜日の午後にこういう場に出てくる気骨のある方々ばかりです。ディスカッションには勝てません(そもそも勝つ気もありませんが・・・)。ためにはなりましたがすごく疲れました。いずれにしても、柔軟でありたい。その一言につきます。

写真は朝の食卓より・・・
朝からテーブルが散らかり過ぎていて全景が撮れなかったのですが(泣)アラビアのTeemaのポットとHeiniのケーキ皿です。
Heiniの縁取りはタンポポの綿毛をかたどっています。そういった意味で春のお皿だなあと眺めていました。



シリーズも製造時期も違いますが、ちょっと似た色合い。工夫次第でコーディネートできるのがよいです。







4.04.2014

メディア関連

厳密には昨年のお仕事になるのですが、春の訪れとともにプレスの皆様から続々と雑誌が届いています。




まず「CREA」さん(文藝春秋)
「レイルヨーロッパで行く北欧4国の旅」
すみません、本当は先月いただいていたのですが大変遅くなってしまいました...申し訳ありません。
装丁が豪華!リッチな気分になります。


そして今日届いたのが「北欧雑貨と暮らす」No.4(ネコ・パブリッシング)。全編北欧でいっぱいの楽しい本です。北欧アイテムの手作りコーナーなども。

余談ですが、筆者は父親が新聞記者、母親が元婦人雑誌の編集者という家庭に生まれました。こういう本には何となく子供の頃の懐かしさを感じてしまいます(もちろんん、中身は最新情報が満載です!)


他にももう一冊頂戴していまして、また早々にウェブベースでヘルシンキを取り上げてくださったメディアさんもあります。
あまりに一度に紹介し過ぎると被ってしまって失礼にあたるような気がしますので、また少しずつご紹介できれば。

ヘルシンキ・マーケティング社(ヘルシンキ市観光局)の発表によると、2013年にヘルシンキを訪れた日本人は107,901人で前年の約89,000人から大幅に増加、10万人の大台を突破しました(6位)。5位のアメリカを追い抜く勢いで、今年も増加が期待されています。

今年も、貴重な時間を割いてヘルシンキに来られる方に最大限にヘルシンキを楽しんでいただけるよう、お手伝いできればと思っています。

4.02.2014

「祖谷物語」in ヘルシンキ

もう3週間くらい前の話になってしまうのですが、ヘルシンキで開催されたアジア映画祭「Cine Aasia2014」で、日本映画「祖谷物語 – おくのひと- 」を観ました。




これは自主製作映画という扱いというか、日本でも観る機会がやや限られていそうな映画に入るのでしょうか。
確かに粗削りな感じはあったし、宮崎アニメとか新藤兼人監督の「裸の島」など、過去の映画を思わせるところもかなりあったのですが、真似してる、というよりはそれらに対する作り手の敬意が感じられる、目線の温かい映画のように感じられ、都会-地方のコントラストが強い日本でそれぞれに住む人の思いやスタンスのずれも、在外邦人の目にはよく描かれていたように感じられました。
現代社会に向けて問いかけるところもある、少なくとも世の中にとって必要な映画なのではないかと思いました。

ただ、一緒に行った家族(フィンランド人)は「う~ん」と、なぜか微妙な反応。
フィンランド人の大好きな自然はふんだんに描かれていたと思うのですが、なぜだろう?

他にもいろいろ見たい映画はあったのですが、行けたのはこれだけでした。DVDで観れそうな日本映画は別の機会にとっておくとして、できることなら、他にはツァイ・ミンリャン監督の「ピクニック」が観たかったです。


なお、この映画祭のオープニングを飾った是枝裕和監督の「そして父になる」は、現在ヘルシンキ市内で上映されています。




4.01.2014

Musiikkitalo (Helsinki Music Centre)



2011年にオープンしたコンサートホール内のカフェで、さるプロジェクトの打ち合わせでした。
音楽鑑賞以外の目的でも気軽に立ち寄れる、広々としたガラス張りのスペースです。Wifiも完備。
席もたくさんあるので、私も今度仕事しに来ようかな。
いや音楽もまた聴きに来たいものです。

シャープな現代性の中にもフィンランドの歴史を伝える公共性の高い建築と、東京・サントリーホールなど世界中で高い評価を受ける永田音響設計さんが手がけた優れたアコースティックが身上のホールです。