同じアパートに、こちらの政府系機関に勤務する研究者(社会学)が家族で住んでいるのですが、彼女が共同執筆した、「長期の過剰債務が健康におよぼす影響」を90年代の大不況以来*15年にわたってケースコントロールで追跡調査したという報告書が発表されました。
今日、こちらのメディアでも報道されたそうです。
結論からすると、過剰債務への耐性は男性より女性の方が低く、長期の支払困難は、男女を問わず特に精神疾患や糖尿病などの発病状況と関連性が見られるとか。
ご近所の方の労作という以外にこのテーマが目に留まったのは、やはりフィンランドでは今タイムリーな話題なのではないかということ。若者を狙った、携帯電話経由で簡単に借りられる消費者金融や、子の代にまで及ぶような額の住宅ローンなどはしばしば聞く話です。
フィンランドでは幼児教育から少しずつ消費者教育を盛り込んでいく取り組みがすでに行われていますが、過剰債務の予防や債務に関する問題の解決を図ることが公衆衛生の向上にも繋がるという趣旨のようです。
借金はしない方が健全だ、とは誰でもわかっていることですが、一つの科学的な根拠として説得力を感じます。
*追記(2014年6月15日)「90年代の大不況以来」という文言を追記しました。
6月の野ばら、ユハンヌスルース