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2.24.2015

ゆるめの週明け


新しい週が始まりましたが、今週も仕事のスタートは割とゆるやかで、さすがにだいぶ元気になってきました。

正直、これは今月の初め、どうしても時間的に締切に間に合わないということで、あるお仕事をお断りしたことから生まれた時間です。仕事を断るというのは、いろいろな意味で大変辛いことです。でも、今回に関しては生きた時間になっていると思います。

そんな折、今日はフランスのケーブルTVで、日本のクリエイターの方々が日本国内のお気に入りの場所を紹介する「toco toco」という番組が放映されていることを知りました。吹き替えではないので皆さんが日本語を話しているのが生で聴け、YouTube版は英語の字幕がついています(フランス語字幕版はこちら。有料)。個人的にちょっとツボなスポットも紹介されていて、とても楽しく観ました。この先の放送も楽しみです。






          
さて、フィンランドに戻りまして(笑)写真は先日たまたま出会ったアラビアのファクトリービジットプレートです。
今は、アラビアのファクトリーショップに行くとファクトリービジットマグカップが買えますが、かつては絵皿だったんですね。。。

デザインは、今やムーミンマグのイラストでおなじみのトーベ・スロッテ。

海外のネットショップで1970年代の製品などと書いてあるものがあったのですが、トーベ・スロッテさんは1957年生まれですので、さすがにそれはないと思います。アラビア創業の年(1873年)にちなんだものではあるようですが、もう少し詳しく調べる必要がありそう。

作品そのものはもちろん大事なのですが、こうしたことからも、フィンランドの歴史が学んでいけるのではと・・・


最近、アラビア(イッタラ)では装飾用の絵皿というものをほとんど見かけなくなりました。
ミレニウムの前後には、日本の親戚にアラビアのイヤープレートをお土産にした記憶があるのですが・・・次回、イッタラの方にお会いする機会があったら聞いてみたいと思います。

ちなみに絵皿の後ろにある丸っこいのはムーミンの貯金箱ですが(写真が欠けていてすみません)、これはその昔、取引銀行に子連れで行った時に、子どもをなだめるために銀行の方がくださったものです(笑)。少し前に一時期市販されていましたが、今はもうないかもしれません。

あまりに法外な大金を出さずとも、生活に密着した形でいろいろなデザインとの出会いがあるのは北欧ならではかもしれません。

では、また。



10.23.2014

キノコ学習帳その2 近所のキノコ(食用中心)

10月も下旬にさしかかり、ヘルシンキは冬へとまっしぐらに向かっています。
この1か月ほどで、お天気はみるみるうちに変わってしまった感じです。
紅葉・黄葉が過ぎ、霜が降り、小雪が舞い、空は灰色・・・毎年のことではありますが、ちょっと憂鬱な季節ではあります。

これに伴い、周囲に失笑されながらキノコウォッチングに余暇を費やしたシーズンも、終わりに近づこうとしています。

そこで今のうちに、先日の自宅前の食用キノコに続き、近所で見かけた食用その他気になったキノコをまとめておきたいなと思います。

観察地は、地形的には自宅があるのと同じく、集合住宅がいくつか建つヘルシンキ郊外のなだらかな丘の上ですが、建物の敷地内ではなく、街や買い物からの行き帰りに通る公園わきの歩道や芝生、それに続く自宅建物裏の雑木林(散歩道あり)になります。

まずバス停を下りて、買い物帰りに歩く歩道(全長200mくらい?)から・・・
つい数年前までろくに舗装されておらず、天気の悪い日は靴がメチャメチャになる道でした。
道の途中や突き当りには保育園や公園などがあります。


9月下旬、芝生に生えていたササクレヒトヨタケ(Coprinus comatus)
フィンランド語でスオムムステシエニ (Suomumustesieni)
カサの部分が黒く液化して溶けてしまうというキノコですが、
芝生のあるところなら街中でも結構よく見かける、
美味で知られる種類です。

もっとも、キノコの中でも特に重金属を吸収しやすいので、
人や車がたくさん通る場所では採らない方よいとのこと。
(これは、街キノコには共通しているかもしれません・・・)

ここも、車こそ通らないものの、子どもからお年寄り、犬まで
結構行き来の多い歩道沿いの芝生です。
あまりにもあからさまなウォッチングはご近所の手前少々はずかしく、
撮影もちょっと遠目から控えめに・・・


同じ歩道をさらに進み、10月初旬にシラカバの木の下に見つけたスギタケ (Pholiota squarrosa)
フィンランド語でポルホスオムへロッカ (Pörhösuomuhelokka)
フィンランドでは毛糸などの染色に使うキノコの一つです。
昔のガイドブックの中には、若いものなら火を通した後食べてもよいと書いてあることがあるようですが、
現在はあまり推奨されていないようです。
(食用かどうかの分析も日々の研究らしく、キノコガイドブックは10年程度をめどに買い替えた方がよいと
どこかに書いてありました)

香りは結構強いですが、決して不快なにおいではありません。
柄は結構しっかりしていて、野趣あふれるキノコという感じ。
ただ、そうしたこともここでは人目があって確かめられず、後で別所で見つけた時に確認しました・・・




少し日をおいた雨上がり、同じ歩道の並びにある、
別の木の下に生えていたキノコ。
結構大きく成長していて、赤いカサに白いイボで有名な毒キノコに似ていたのですが、柄が太くがっしりしており、倒すと赤く変色したことから
同じ仲間のガンタケ (Amanita rubescens) では?と踏んでいます。
フィンランド語ではルソカルパスシエニ(Rusokärpässieni)
これも食用とする文献がある一方、最近では毒性も認められているようです。
いずれにしても、初心者がむやみに手を出すキノコではないとのこと。
ちなみに、このキノコにも通常イボがあるようですが
雨で容易に流れ落ちるのだそう。


 


************

ここで歩道を左に上ると自宅の敷地に入るのですが、もう少し先まで足を伸ばして、
住民の散歩道、建物裏の森の方まで行ってみたいと思います。

お天気はいま一つ・・・

裏の森には毒キノコがいっぱいありました(笑)が、そんな中でも輝きを放っていた
食用キノコを中心にご紹介します。

イロガワリキイロハツ (Russula claroflava) 
フィンランド語でケルタハペロ (Keltahapero)
生食も可能(ただし、黄色いハペロにも何種類かあります)。



次に、ナラタケ属で和名なし (Armillaria borealis)
フィンランド語でメシシエニ (Mesisieni)
切り株などに大量発生するキノコです。


食用にするのは若いもののカサの部分だけ、またよく湯通しする必要があるということですが、
美味とされています。
大量に生えるだけに、大きくなると凄味を増して近づきがたい感じになります(笑)
また、このように切り株に大量に生えるキノコは他にも多数あり、毒キノコも少なくないため
同定に注意が必要かもしれません。

・・・さて、遊歩道を少し深めに入った湿った雑木林の下に!

ちょっと目をひく白いキノコがありました。シロケシメジ (Tricholoma columbetta)?
フィンランド語でシルッキヴァルムスカ (Silkkivalmuska)
シルッキとは「シルク」のことです。ちょっときれいで抜いてしまうのが惜しく、
カサの裏側をきちんと撮らなかったので、今一つ自信がないのですが・・・
太くしっかりした柄、成長してやや茶色をおびたカサの中央部、紫がかったシミなどが
ガイドブックの説明と一致はします。


白いキノコには命に関わる猛毒のものもあるので、慎重に同定する必要があります。
初心者は、まず白いキノコは避けるようにとするガイドブックもあるほどです。
カサがもこもこと広がるように育つキノコも、他に何種類かあるので
ヒダの形状や柄の様子など、どんなにキノコに習熟していようとも
必ずガイドブックと逐一つき合わせる必要があります。
この森にも、明らかに毒キノコという白いキノコが他にありました。

************

他にもまだ2、3、食用ではないかと思われるキノコがあったのですが、写真の撮り方やキノコの状態などでどうしても種類の特定ができませんでした。
誤った情報を掲載するとよろしくないと思いますので、また来年に持ち越したいと思います。

また、観察を始めた時期が少し遅かったので、古くなってしまっていて撮影してもあまり美しくないものもいくつか。さらに、写真撮影のポイント(カサの表裏、柄の様子など)や周囲の環境(どんな植生の森か、何の木の下に生えているか)などのチェックもとても重要だということを学びました。。。

来年も豊作だとよいなと思います!

何だか小学生の調べ学習の真似事のようになってしまい、現在進めている仕事とはあまり関係ない話でしたがまた・・・

(といっても、そのうちお客様とももっと時間をかけてキノコ狩りをしたいという希望があるので、あながち仕事とまったく無関係ということはないのです・・・!)



10.20.2014

Keep Calm and Love Mushrooms...


先週後半、ちょっとしたアクシデントで仕事が滞ってしまい、長年お世話になっているクライアント様に迷惑をかける事態となってしまいました。
週末に入って巻き返しを図ろうとしたのですが、また別の理由で仕事がまったく捗らず、何だかイライラし通しの数日に・・・ 

そんな折、台所のテーブルの上にちょっと洒落たビジュアルの雑誌が載っているのを発見。
ガス会社から送られてきたKöökki(コーッキ)という雑誌でした。出張中にでも届いたのでしょうか(戻って来てもう1週間経つのに、気が付いていない・・・)。
めくってみると、心が洗われるような写真がたくさん。
そして、自然の恵みを生かすと銘打って、キノコやベリー、湖で獲れるお魚などのレシピがたくさん載っていました。とてもセンスのよい雑誌です。

そこで目に留まったのが、キノコのフォカッチャ。夜食用に作ってみることにしました。
レシピはこちらです。フィンランド語〉



キノコは、田舎の家の庭で霜が降りた枯葉の下に隠れていた、アンズタケ (Cantharellus cibarius) シロカノシタ (Hydnum repandum) が少しあったので、それを活用しました。
どちらも人気のある、美味しい森のキノコです。


アンズタケ
シロカノシタ

粉はレシピ通りのもの(スペルト小麦)が家になく、あるもので間に合わせましたが、大成功!
これで仕事の不全感が帳消しになるわけではないのですが、新しい週に向けて精神統一と気分転換にはなったかもしれません。

ところで、フィンランドでは調理台もオーブンも電気が主流で、料理にガスを使っている家庭はほんのわずかです。

当家は偶然、前の方が亡くなるまで住んだ後の古めのアパートを自分たちで直して住んできたので、ずっと料理にガスが使えています。

ですが、この素敵な雑誌を眺めていると、フィンランドでガスを使って料理するということは、もっとすごく特別でこだわりのあることかのように思えてきます。

まさにそこがこの会社のブランディングなのでしょうが、多少なりともあやかりたいものです。


10.13.2014

キノコ学習帳その1 家の前のキノコ(食用)


8月末から9月初旬にかけて、今年はポルチーニが大豊作らしいことを知りました。
時間の制約もあってなかなか本格的なキノコ狩りには行けないものの、この秋は近所でもキノコが多いのではないかと思い、まず足元から、自宅付近のキノコ環境に注目してみることにしました。

筆者が住んでいるのは、ヘルシンキ郊外のある住宅地ですが、もともとあった森を残した都市計画が行われており、住んでいるアパートの庭(私有地)も1ヘクタール近い雑木林のようになっています。

かつて新しく住宅を建てるために庭をつぶす計画があったそうですが、現在は市の文化財の一部として保護されており、そういったことはできなくなりました。

もっとも、庭では子どもがよく遊んでいて遊具などもあるし、車も入れ、そもそも自分も(また、おそらくこの建物に住んでいる他の人たちも)毎日慌ただしく行き来するだけで、何年も住んでいるのに植生などあまり気に留めたことはありませんでした。

しかし・・・よく観察してみると、一般に食用・美味とされる森の幸がかなり生えていることがわかりました。
さすがにこの環境で集めて食べる気にはならないのですが、冬に入っていくなかで、ちょっぴり怪しげな生命力を発揮しているキノコに、エネルギーをもらっている感じです。

近所の人や世間一般のフィンランド人に言わせると、キノコ自体はあまりにも当たり前にあり過ぎるものだそうで、私がどれだけ感動を伝えようとしても大半の人には呆れられているのが現状です(笑)。

ですが、日本にはフィンランドでキノコ狩りをしてみたいという方が山ほどおられることも筆者は知っています。まして、国立公園や人里離れた森ならともかく、ヘルシンキ中心部から10km圏内の集合住宅の庭としてはそれなりにユニークな環境なのでは?と思い、ブログに残してみることにした次第です。


■ まず、ヌメリイグチ (Suillus luteus)、フィンランド語でヴォイタッティ (Voitatti)
私的にはとても気分が上がるキノコの一つです。傘の裏側がスポンジのようになっています。



■ 続いて、いろいろな種類のベニタケ属 (Russula)、フィンランド語でハペロ (Hapero)
何種類も見つかりました。観察用に家に持ってあがっただけで食べてはいないのですが
3つ星のキノコも・・・小さいうちが可愛らしいです。




追記(2014年10月21日):この種類は数が多く、同定が難しいものがあります。


■ チチタケ属のアカハツモドキ (Lactarius deterrimus)
フィンランド語ではクーセンレッパルオスク (Kuusenleppärourku) 
青みがかっているのでちょっとドキッとするのですが、美味種です。
傘の裏側や、割った時の独特のオレンジ色の入り具合で見分けがつきます。

 




■ カバイロツルタケ(Amanita fulva)、フィンランド語でルオステカルパスシエニ(Ruostekärpässieni)家の入口の前にある、松の木の下に生えていました。
一応食べられますが、仲間に毒キノコが多い種類のため、近年では敬遠されているとのこと。
私も食指は動かないなあ・・・ 



庭にはもちろん毒キノコもありましたが、ここでは食用キノコがかなり優勢だったことを強調したいと思います。
また時間があったら紹介します。今週もよい一週間を。



9.08.2014

アップサイクル

昨年さるプロジェクトでご一緒したNさんがプライベートでフィンランドにいらしたため、ランチ&ヘルシンキ街歩きへ。ぶらぶら歩きのつもりがちょっとガイドノリになってしまったのですが、普段の仕事では少し歩きにくいエリアを、建築やショップを冷やかしながらのんびりご一緒させていただきました。

そして恐縮なことに、Nさんからいろいろなお土産をいただいてしまったのですが、そのうちの一つ、素敵な菓子折りを夕食後のお茶の時間に開いてみました。
すると何と!包装紙の裏に和封筒の展開図が印刷してあるではありませんか。


私はすっかり感動して、その場で包装紙を切り取って早速封筒を作ってしまいました。


写真では見にくいですが、包装紙の裏側には適度な「しぼ」が入っていて、味わいのある質感の封筒が2枚できました。

フィンランドでは、払い下げの材料などを活用したエコデザインが注目されています。でも、目指すところは単なるリサイクル(再利用)ではなく、もう一歩踏み込んで新たな付加価値を生み出していく「アップサイクル」の精神とのこと。

某有名和菓子メーカーさんのこの包装紙にも、同じようなセンスを感じました。
日本の包装は何でもとても立派ですが、資源を無駄にしないこのような工夫、売り手からの提案としてとても素敵だなと思いました。和菓子の方ももちろん美味しくて、体重管理がまた・・・(以下略)




6.07.2014

幸せを運ぶ?

今日は、以前フィンランドに長期滞在経験があり、現在来フィン中の現代美術作家の三田村光土里さんと久々にお会いしました。
ヘルシンキ市立美術館で開催中のマーリア・ヴィルッカラ(Maaria Wirkkala)の個展、その後お茶、ショッピングなど。
光土里さんから制作活動先だった北アイルランドのお土産をいただき、ほくほく。

自営業兼主婦の慌ただしさの中、平生なかなか気分の切り替えがつかず、純粋に休める日、あるいは休んだ気になれるような日が少ないところ、今日はちょっとフリーな気分で過ごすことができました。

さて、帰宅して台所仕事をしていたところ、田舎の家から出てきた、1950年代のものという年代もののグラスを誤って割ってしまいました。市内で売っているところは知っているので買い足すことはできると思いますが、お金もかかりますし残念は残念です。でも破片を片付けているうちに、留学中だった15年前のやはり6月、賑やかなテラスで飲み物が入ったボトルを派手にテーブルから地面に落としてしまったことを思い出しました。

当時私は自分の身の振り方でとても悩んでおり、その日も(夏のテラスにいるにも関わらず)ひどく気分が落ち込んでいました。そんな折、人が大勢いる夏のカフェのテーブルで不注意から瓶を倒してしまいました。ガラスが粉々になって地面に飛び散る様子はとても惨めで不吉な感じがして、さらに絶望的な気分になってしまったのです。

「バカじゃないの・・・?!」
ところが、意外なことに周囲にいた友人たちはにこにこして
「破片は幸せを運んでくるのよ♪」

たぶん私があまりにも悲惨な形相をしていたのでなだめてくれたのだと思いますが、ヨーロッパではそういうことになっているらしい・・・
正直、かなり深刻な気分になっていただけに何だか拍子抜けして、気分は少し軽くなりました。
そしてその後しばらくして、実際にも人生が予想もしない方向へと大きく変わっていったように思います。

・・・ということで、忘れていた記憶がよみがえった週末でした。

近いうちに何かいいことがあるといいなっ!(笑)





4.16.2014

ティモ鍋を焼く



2年前、田舎に小さな地所を手に入れた際、そこの納屋からティモ・サルパネヴァの鉄鍋(いわゆる『ティモ鍋』)が出てきました。1960年に発表され、一旦廃盤になりましたが21世紀に入ってイッタラ社で復刻され、現在も人気の高い有名な作品です。持ち運びや蓋の開閉に使う木製のハンドルがついていて、シンプルながら独創的な北欧デザインの代表作ともいえるでしょう。

その田舎の地所には80年代初めごろから通年で住む人はいなくなっていたようですので、それ以来日の目を見たということなのでしょうか。もちろん、コンディションはすこぶる良好でした。

現在売られているものは中がホーロー引きになっていますが、手元にあるこのバージョンは蓋の内側だけがホーロー引きで、中の鍋肌は鋳鉄のままです。また、今売られているものより少しだけ大きい気もします。

この鍋を、豚の脂を塗って高温のオーブンで焼くという、昔ながらの方法でお手入れしてみました(注*)。
そもそも鋳鉄製の鍋釜は、ものの本によれば「永久に使える」ものだそうで、フィンランドの家庭には100年ぐらい前から代々使われているものもあるとか。
またうっかり錆びてしまったりしても、手入れをすればリカバリー可能という優れものだそうです。
大雑把な筆者には敷居が高かった鋳鉄ものもこれで何となく親近感がわいてきて、好奇心も手伝い市場で豚の脂を入手。
店頭で「鍋を焼くのに使う」と説明したところ、精肉店のおじさんも何の迷いもなく適当な塊を切って売ってくれました。

まず鍋の汚れや錆びを取り除きます。今までついていた脂の層を広い範囲で落とすならスチールウール(石けんのついていないもの)が早いですが、小さな錆びの除去といった場合は、食塩をクレンザー替わりに生のジャガイモの切り口でこするとよく取れます。このアイデアはアメリカのウェブサイトに出ていたもので、実際に試してみましたがなかなかよかったです。
(ただし、鉄鍋は塩分を嫌うため使用後はよくすすぐこと)



そのあと、いよいよ脂の塗布へ。鍋を火にかけ、豚の脂の塊を溶かしながら塗っていきます。内側だけでなく外側も塗りました。側面を塗るときは脂の塊をフォークに刺すなど工夫して。鍋が脂でテカテカしているのに注目。

ここでショートニングや菜種油など植物性油脂を推奨している場合もあるようなのですが、一部のフィンランド人によると「必ず豚の脂」であることが重要らしいです。
オーブンで焼くことでこの豚の脂の成分が保護膜のように変化し、一種のテフロン加工のような効果を生むことになるとか。それは植物性油脂では決して得られないものだというのです。

250度のオーブンで30分ほど焼き、お手入れが完了したのが最初の写真です。いい感じ♪

追記(2014年4月16日):
注* 
これは、あくまで鋳鉄製の鍋、フライパンに限った伝統的なメンテナンス方法です。
ホーロー製のティモ鍋(ヴィンテージ)や、現在イッタラ社で販売されている内側がホーロー引きのティモ鍋には向いていないと思われます(高熱でホーローが損傷します)。特に現行品については、メーカーの指示に従ってお手入れをお願いします。







4.02.2014

「祖谷物語」in ヘルシンキ

もう3週間くらい前の話になってしまうのですが、ヘルシンキで開催されたアジア映画祭「Cine Aasia2014」で、日本映画「祖谷物語 – おくのひと- 」を観ました。




これは自主製作映画という扱いというか、日本でも観る機会がやや限られていそうな映画に入るのでしょうか。
確かに粗削りな感じはあったし、宮崎アニメとか新藤兼人監督の「裸の島」など、過去の映画を思わせるところもかなりあったのですが、真似してる、というよりはそれらに対する作り手の敬意が感じられる、目線の温かい映画のように感じられ、都会-地方のコントラストが強い日本でそれぞれに住む人の思いやスタンスのずれも、在外邦人の目にはよく描かれていたように感じられました。
現代社会に向けて問いかけるところもある、少なくとも世の中にとって必要な映画なのではないかと思いました。

ただ、一緒に行った家族(フィンランド人)は「う~ん」と、なぜか微妙な反応。
フィンランド人の大好きな自然はふんだんに描かれていたと思うのですが、なぜだろう?

他にもいろいろ見たい映画はあったのですが、行けたのはこれだけでした。DVDで観れそうな日本映画は別の機会にとっておくとして、できることなら、他にはツァイ・ミンリャン監督の「ピクニック」が観たかったです。


なお、この映画祭のオープニングを飾った是枝裕和監督の「そして父になる」は、現在ヘルシンキ市内で上映されています。