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11.11.2015

近況


こんばんは。

今年も11月に入り、1年の終わりが見えてきました。
今年は前半は翻訳業務で徹夜が続き、夏から秋にかけてはやや予定調和的な仕事が多かった気もしますが、あまり体調が良くなかったのでそれはそれで有り難く、お休みも多少頂戴し、これから年末に向けては、少し内容の詰まった仕事が続きそうです。

現在はある学術調査のためのコーディネート業務(この口当たりよく中身の薄い言葉が以前からどうも好きではないのですが・・・要するにアポ取りですよね)、そして少しでも時間があれば、締め切りが徐々に見えてきた大口翻訳プロジェクトなどを中心に取り組んでおります。
また、詳細はまだよくわからないのですが新しいプロジェクトにもスカウト?され、行方を見守っているところです。



ヘルシンキも外は大分日が短くなってきました。ちなみに、今日11月11日のヘルシンキの日照時間は7時間51分とのこと。
日の出が午前8時8分、日の入りが15時59分です。
外が暗いと、休憩タイムのコーヒーカップにもつい明るい色を選びたくなります。
フィンランドに来たばかりの頃は派手な色の食器を使う感性が理解できませんでしたが、今はよく分かります。

ところで先日、お手伝いさせていただいたガイドブックをご紹介させていただきましたが、最近この本を持っている旅行者の方を時々街で見かけます。今度、名乗り出て写真でも撮らせていただこうかと思ったりしています・・・(笑)

自分が提供する情報はどこに行き、どんな影響を持つことになるのか。
インタビュー先から時々言われる言葉です。私自身はそんな情報の媒介役になっているだけに過ぎないのですが、やはり同じことは気にしています。情報の届く先を見据えてお仕事できればと思っています。

ということで、年末まで忙しくなりそう。体調を整えて臨みたいと思っております。

では、また!

2.24.2015

ゆるめの週明け


新しい週が始まりましたが、今週も仕事のスタートは割とゆるやかで、さすがにだいぶ元気になってきました。

正直、これは今月の初め、どうしても時間的に締切に間に合わないということで、あるお仕事をお断りしたことから生まれた時間です。仕事を断るというのは、いろいろな意味で大変辛いことです。でも、今回に関しては生きた時間になっていると思います。

そんな折、今日はフランスのケーブルTVで、日本のクリエイターの方々が日本国内のお気に入りの場所を紹介する「toco toco」という番組が放映されていることを知りました。吹き替えではないので皆さんが日本語を話しているのが生で聴け、YouTube版は英語の字幕がついています(フランス語字幕版はこちら。有料)。個人的にちょっとツボなスポットも紹介されていて、とても楽しく観ました。この先の放送も楽しみです。






          
さて、フィンランドに戻りまして(笑)写真は先日たまたま出会ったアラビアのファクトリービジットプレートです。
今は、アラビアのファクトリーショップに行くとファクトリービジットマグカップが買えますが、かつては絵皿だったんですね。。。

デザインは、今やムーミンマグのイラストでおなじみのトーベ・スロッテ。

海外のネットショップで1970年代の製品などと書いてあるものがあったのですが、トーベ・スロッテさんは1957年生まれですので、さすがにそれはないと思います。アラビア創業の年(1873年)にちなんだものではあるようですが、もう少し詳しく調べる必要がありそう。

作品そのものはもちろん大事なのですが、こうしたことからも、フィンランドの歴史が学んでいけるのではと・・・


最近、アラビア(イッタラ)では装飾用の絵皿というものをほとんど見かけなくなりました。
ミレニウムの前後には、日本の親戚にアラビアのイヤープレートをお土産にした記憶があるのですが・・・次回、イッタラの方にお会いする機会があったら聞いてみたいと思います。

ちなみに絵皿の後ろにある丸っこいのはムーミンの貯金箱ですが(写真が欠けていてすみません)、これはその昔、取引銀行に子連れで行った時に、子どもをなだめるために銀行の方がくださったものです(笑)。少し前に一時期市販されていましたが、今はもうないかもしれません。

あまりに法外な大金を出さずとも、生活に密着した形でいろいろなデザインとの出会いがあるのは北欧ならではかもしれません。

では、また。



4.16.2014

ティモ鍋を焼く



2年前、田舎に小さな地所を手に入れた際、そこの納屋からティモ・サルパネヴァの鉄鍋(いわゆる『ティモ鍋』)が出てきました。1960年に発表され、一旦廃盤になりましたが21世紀に入ってイッタラ社で復刻され、現在も人気の高い有名な作品です。持ち運びや蓋の開閉に使う木製のハンドルがついていて、シンプルながら独創的な北欧デザインの代表作ともいえるでしょう。

その田舎の地所には80年代初めごろから通年で住む人はいなくなっていたようですので、それ以来日の目を見たということなのでしょうか。もちろん、コンディションはすこぶる良好でした。

現在売られているものは中がホーロー引きになっていますが、手元にあるこのバージョンは蓋の内側だけがホーロー引きで、中の鍋肌は鋳鉄のままです。また、今売られているものより少しだけ大きい気もします。

この鍋を、豚の脂を塗って高温のオーブンで焼くという、昔ながらの方法でお手入れしてみました(注*)。
そもそも鋳鉄製の鍋釜は、ものの本によれば「永久に使える」ものだそうで、フィンランドの家庭には100年ぐらい前から代々使われているものもあるとか。
またうっかり錆びてしまったりしても、手入れをすればリカバリー可能という優れものだそうです。
大雑把な筆者には敷居が高かった鋳鉄ものもこれで何となく親近感がわいてきて、好奇心も手伝い市場で豚の脂を入手。
店頭で「鍋を焼くのに使う」と説明したところ、精肉店のおじさんも何の迷いもなく適当な塊を切って売ってくれました。

まず鍋の汚れや錆びを取り除きます。今までついていた脂の層を広い範囲で落とすならスチールウール(石けんのついていないもの)が早いですが、小さな錆びの除去といった場合は、食塩をクレンザー替わりに生のジャガイモの切り口でこするとよく取れます。このアイデアはアメリカのウェブサイトに出ていたもので、実際に試してみましたがなかなかよかったです。
(ただし、鉄鍋は塩分を嫌うため使用後はよくすすぐこと)



そのあと、いよいよ脂の塗布へ。鍋を火にかけ、豚の脂の塊を溶かしながら塗っていきます。内側だけでなく外側も塗りました。側面を塗るときは脂の塊をフォークに刺すなど工夫して。鍋が脂でテカテカしているのに注目。

ここでショートニングや菜種油など植物性油脂を推奨している場合もあるようなのですが、一部のフィンランド人によると「必ず豚の脂」であることが重要らしいです。
オーブンで焼くことでこの豚の脂の成分が保護膜のように変化し、一種のテフロン加工のような効果を生むことになるとか。それは植物性油脂では決して得られないものだというのです。

250度のオーブンで30分ほど焼き、お手入れが完了したのが最初の写真です。いい感じ♪

追記(2014年4月16日):
注* 
これは、あくまで鋳鉄製の鍋、フライパンに限った伝統的なメンテナンス方法です。
ホーロー製のティモ鍋(ヴィンテージ)や、現在イッタラ社で販売されている内側がホーロー引きのティモ鍋には向いていないと思われます(高熱でホーローが損傷します)。特に現行品については、メーカーの指示に従ってお手入れをお願いします。