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8.09.2015

「アイロハシュ-太陽の息子」

こんにちは。
前回の書籍ご紹介に続く、ご報告第2弾です。

リレハンメル・オリンピックでのヨイク歌唱や北欧理事会文学賞の受賞などで知られるサーミ人芸術家、ニルス・アスラク・ヴァルケアパー(Nils-Aslak Valkeapää)の生涯を描いた舞台「アイロハシュ-太陽の息子」(作・演出:アリペッカ・ラハティ/Ari-Pekka Lahti、2014年にフィンランド国立劇場で初演)の日本公演にあたり、戯曲の翻訳を担当させていただきました。

公演は、東京のシアターX(カイ)にて、去る7月24日から26日にかけて行われました。
ということで、実はもう終わってしまっているのですが(泣)、今年上半期にお引き受けしたお仕事の中でも、とりわけ忘れがたいものの一つとなりました。
一人の芸術家が芸術家となるまでの苦難と葛藤、自分の出自への誇りと呪縛、成功ゆえの空虚と喪失、などを見事に描き切った脚本で、翻訳作業に携わった者の心の栄養ともなる作品でした。

作品のストーリーや込められたメッセージは自分にとってはとても理解しやすく、大きな共感があったのですが、訳の方は何度読み返しても、公演が終わった後でさえ、もっとよいものにできたのではという気分に強く駆られます。
ですが、たとえ翻訳に拙いところがあったとしても、オリジナルの脚本とお芝居がそれをものともしないほど優れたものなのは明らかでしたので、ある意味では安心していることもできました。もちろん作者のアリペッカ氏からもアドバイスをいただき、温かい励ましをいただいての作業でした。

公演が終わってしまってからの投稿になってしまい、本当に申し訳ないです。
作品との出会いに改めて感謝しつつ、公演を実際にご覧になった方々にも、訳者が戯曲を読んで感じたのと同じ感動が少しでも伝わったようでしたら嬉しく思います。

(下はスウェーデン国立劇場制作のトレーラー)

2.24.2015

ゆるめの週明け


新しい週が始まりましたが、今週も仕事のスタートは割とゆるやかで、さすがにだいぶ元気になってきました。

正直、これは今月の初め、どうしても時間的に締切に間に合わないということで、あるお仕事をお断りしたことから生まれた時間です。仕事を断るというのは、いろいろな意味で大変辛いことです。でも、今回に関しては生きた時間になっていると思います。

そんな折、今日はフランスのケーブルTVで、日本のクリエイターの方々が日本国内のお気に入りの場所を紹介する「toco toco」という番組が放映されていることを知りました。吹き替えではないので皆さんが日本語を話しているのが生で聴け、YouTube版は英語の字幕がついています(フランス語字幕版はこちら。有料)。個人的にちょっとツボなスポットも紹介されていて、とても楽しく観ました。この先の放送も楽しみです。






          
さて、フィンランドに戻りまして(笑)写真は先日たまたま出会ったアラビアのファクトリービジットプレートです。
今は、アラビアのファクトリーショップに行くとファクトリービジットマグカップが買えますが、かつては絵皿だったんですね。。。

デザインは、今やムーミンマグのイラストでおなじみのトーベ・スロッテ。

海外のネットショップで1970年代の製品などと書いてあるものがあったのですが、トーベ・スロッテさんは1957年生まれですので、さすがにそれはないと思います。アラビア創業の年(1873年)にちなんだものではあるようですが、もう少し詳しく調べる必要がありそう。

作品そのものはもちろん大事なのですが、こうしたことからも、フィンランドの歴史が学んでいけるのではと・・・


最近、アラビア(イッタラ)では装飾用の絵皿というものをほとんど見かけなくなりました。
ミレニウムの前後には、日本の親戚にアラビアのイヤープレートをお土産にした記憶があるのですが・・・次回、イッタラの方にお会いする機会があったら聞いてみたいと思います。

ちなみに絵皿の後ろにある丸っこいのはムーミンの貯金箱ですが(写真が欠けていてすみません)、これはその昔、取引銀行に子連れで行った時に、子どもをなだめるために銀行の方がくださったものです(笑)。少し前に一時期市販されていましたが、今はもうないかもしれません。

あまりに法外な大金を出さずとも、生活に密着した形でいろいろなデザインとの出会いがあるのは北欧ならではかもしれません。

では、また。



9.05.2014

「ホテル・マンタ(Hotel Manta)」




仕事の帰り、この秋話題のアートプロジェクトに立ち寄ってきました。
日本人アーチスト、西野達氏による「ホテル・マンタ(Hotel Manta)」
ヘルシンキ南港に向かって立つバルト海の乙女&ヘルシンキのアイドル、ハヴィス・アマンダ(Havis Amanda)像の周囲に構築されたホテル空間で、実際に宿泊もできるそうです。

像は19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した「フィンランド黄金時代」を代表する彫刻家の一人、ヴィッレ・ヴァルグレン(Ville Vallgren)の作品。
流麗な曲線美で知られ、フィンランドのアールヌーヴォーの第一人者の一人として知られていますが、20世紀初頭のヘルシンキでは、街の中心部にこのような裸体の乙女像を設置することが大きなスキャンダルとなったといいます。今は昔ですね・・・

ホテル・マンタは10月12日まで絶賛営業中です。
では、よい週末を。